友人を犠牲にして「全能感」を味わいたい誘惑
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いじめの根本的な原因は何か?
なぜ、いじめという行為を行うのか?
いじめの原因については「識者」と呼ばれる人たちが様々な説を唱えており、それらは互いに矛盾しています。
- 学校の秩序の緩み、道徳性の低下が悪い。
- いや、がんじがらめの管理教育の重圧こそが問題だ。
- 何をやっても許される個人尊重の行き過ぎが問題。
- 一人ひとりの個性を認めない社会が異端者のいじめを生む。
- 暴力的なゲームやアニメの影響。
- ケンカを体験して他人の痛みを知ることができなくなっている。
- 若い人が幼児化している。
- 計算高く強者の側につき、子供らしさが失われた。
ある社会学者(脚注※)はこうした議論を素人理論と切り捨て、「全能感」を得たいことが本質的な動機だといいます。
この人はアカデミズムの世界に安住した論者ではなく、多数の加害者に取材した上で考察しているので、一聴に値すると思います。
全能感とは?
彼はいじめの加害者が単独でいる時、いろいろなものに苛立ちを感じていたことを確認しています。
つまり、自分の中に不全感を抱えていたということです。
それが誰かをいじめることで「自分は強くなった、何でもできる、と感じた。」といいます。
これが彼の言う「全能感」です。
グループの中の強者が、誰かをいじめて全能感を味わおうとする時、それに協力する「ノリ」が出てきます。
このグループ内で「ノリは神聖にして犯すべからず」という不文律ができます。
弱者は自分がターゲットにならないために付和雷同します。
そして歪んだ秩序に厳格に支配された場ないし小社会が出来上がります。
そこに見られるのは、大人が言うような「無秩序」ではなく、価値観の全く異なる別の社会の厳格な秩序です。
この社会学者は、この現象は子供のいじめだけでなく、大人の社会にも見られる普遍的な現象だといいます。
サイト作成者の感想
この理論には共感する面もありました。
大人の社会でもいじめはあり、いじめを率先する人の動機は他人を犠牲にして全能感を味わい、内的不安から逃れることなのかもしれません。
その人に協力することで全能感の分け前にあずかろうとする人がいる。
自分が標的にならないために受動的に協力する人もいる。
そうして歪んだ秩序に支配された小集団ができる。
たしかに、一般社会、PTA、町内会、会社内、などいろんな場所でそういう現象が見られるように思います。
ただ、よくわからなかったのは、学校内でそういう歪んだ小社会が長期間持続して、殺人・自殺教唆・集団レイプなどの極端な段階まで到達するようになったのはなぜか、という点です。
極端な不良行為は学校が逆に味方する
いじめに関する情報をたくさん調べていて、私(サイト管理者)が感じるのが、極端な悪行には教師や学校が味方するということです。
小さな悪行に対しては、注意し、指導し、叱ります。
しかし、一線を突破して大人がぞっとするような領域まで行くと、逆にいじめる側に味方し、隠ぺいして守るようになるのです。
その動機は何なのか?
色々なことが考えられます。
- 事件になってマスコミに晒され、地位や収入を失うのが怖い
- 立ち向かって自分たちの無力さ・臆病さと直面するのが怖い
- 臭いモノには蓋をし、卒業を待った方が得策だ
- 自分たちの想像を超えた暴力衝動を持った彼らが単純に怖い
ストックホルム症候群といって、誘拐事件や監禁事件の被害者が、犯人に対して過度の同情や好意を抱く現象があります。
生き延びるために、絶対的強者の側につきたい欲求を合理化しようと、偽の感情を作り出すのです。
私は学校関係者の行動にストックホルム症候群に通じる心理があるような気がします。
先ほどの社会学者の本にも、度を超えた不良集団を学校が守る例が紹介されていました。
被害者の家族までもそれに協力し、警察に相談した一部の家族や教師が非難を浴びるのです。
学校の秩序を取り戻すためと称して、この集団は何をやってもお咎めなしで、おとなしい普通の生徒を校則で締め上げるのです。
呆れましたが、子供の通っている学校がこんなことになっている場合もある、というのが現実です。
いじめが確立してしまった教室は、一般社会とは別の秩序が厳格に支配する小社会になってしまっているかもしれません。
極端に言えば、北朝鮮やイスラム国やオウム教団のようなものです。
生徒ひとりひとりに価値がある、誰の命も大切、といった当たり前の主張が通らなくなっているかもしれないのです。
学校や教育委員会も事態が凶悪なほど、いじめに味方する傾向にあります。
保護者は自衛の手段を研究する時代に来ていると思います。
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※内藤朝雄 「いじめの構造」 講談社現代新書より
文献として紹介しただけで、この方は当サイトとは無関係です。